婦人科癌のゲノム医療

  • 関根 正幸
    新潟大学大学院医歯学総合研究科産科婦人科学教室
  • 西野 幸治
    新潟大学大学院医歯学総合研究科産科婦人科学教室
  • 榎本 隆之
    新潟大学大学院医歯学総合研究科産科婦人科学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Precision medicine in gynecologic malignancy
  • フジンカガン ノ ゲノム イリョウ

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抄録

<p>婦人科癌におけるゲノム医療は,生殖細胞系列のBRCA1,2遺伝子変異を原因とする遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)と,ミスマッチ修復(MMR)遺伝子変異(病的バリアント)を原因として子宮体癌を好発するLynch症候群を端緒に,それぞれの遺伝性腫瘍に感受性を示す薬剤であるPARP阻害薬オラパリブと免疫チェックポイント阻害薬ペンブロリズマブを中心として臨床現場に普及し始めている。実臨床では,オラパリブ感受性の臨床的なサロゲートマーカーとしてプラチナ感受性が用いられ,ペンブロリズマブの感受性検査としてマイクロサテライト不安定性(MSI)検査が,MMR機能欠損を反映する腫瘍組織を用いたPCR検査として保険適応となり,コンパニオン診断として利用されている。他の領域と比較するとまだまだ使用可能な薬剤が少なく,立ち遅れている感が否めないが,上記2剤の承認により婦人科癌の治療が一気に変化しつつある。本稿ではこれら婦人科癌におけるゲノム医療の現状と展望について,がん遺伝子パネル検査の話題も加えて概説する。</p>

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